プロジェクトマネージャーになってからの12ヶ月
早いものでプロジェクトマネージャーにジョブチェンジしてから1年が過ぎようとしています。
1月から9月まではSIerで受託案件、10月から自社サービスを手がける事業会社で事業開発をしており、プロジェクトマネージャーとしての仕事内容も様々でした。
- 前:SIerで受託案件に対応する「受注者」だったのが
- 後:事業会社の新規事業開発部門で「発注者」になった
立ち位置が180度くらい違うかもしれないですね。
2019年のあゆみ
※今回は臨場感を重視して、当時のTwitterを貼ってみます。お試し。
1月:モバイルアプリ開発のSIer開始。テスト案件にアサイン。放送大学の試験。
ブログにも書きました通り、1月から新しい職場に移っています。進行中の案件やメンバーの把握、加えてKotlinの習得中。なかなか面白い言語ですね。
— 詩音 (@sionff) 2019年1月9日
会社によって課題はそれぞれだなぁ……あせらず行きましょ。
新しい会社を移って2週間くらい。
— 詩音 (@sionff) 2019年1月17日
まずは管理する予定のテストの設計から着手してるんだけれど、基本に帰ったみたいでいい感じ。
私ごときにかなり期待して下さっているので、なんとか応えていくぞ。バックグラウンドが多いのがここまで有利になるとは夢にも思わなんだ。
2月:テスト案件の続き。テスト設計したり、ITデビューのSESさん3人使ったり。他の案件の解析もやった。単位取れてた。
DMP案件のブツの解析を粛々と進めてる。データのつながりを図に起こすのにA3コピー用紙を取ってきて手書きでカリカリ描いてるんだけれど、中身がよく分かるので結構楽しい。
— 詩音 (@sionff) 2019年2月18日
後は機能別コード別に作業量や懸念点の指摘などをまとめてドキュメント化する。勉強してきてホント良かったと思える。
案件の前半が終了した。
— 詩音 (@sionff) 2019年2月28日
PMとしてパフォーマンスを出せたのは自分としては大きな収穫で、過信かも知れないけれどこれで食べていけそうな手応えもある。
そのうち自社でPM欲しいな、という企業様は今のうちにツバつけといて下さい。多分大成します。
SESを使う側になって分かったこと。昼休みに勉強+質問+素直はそれだけで凄いアピール。
— 詩音 (@sionff) 2019年2月27日
この人はレベルアップに一所懸命だから、所属に「今回はテスターだけれど次は実装で」みたいに推薦したり、弊社PJに呼んだり。転職のチャンスも広がる。
極論だけど、SES卒業したいなら勉強しろ。アピールしろ。
3月:テスト案件おしまい。クライアント側の進みが遅かったのもあって色々考えさせられた。SESさんも三者三様で悩ましい。モチベーションが上がるように自分なりに色々話を聞いたり一緒に考えたり。そして大手の開発案件にアサイン。PM補佐で入ったはずが……。
https://twitter.com/sionff/status/1101563289778057216
放送大学の「問題解決の数理」から受講をしているんだけれど、アルゴリズムやプロジェクトマネジメントやゲーム理論が出てきてる。回を進めるたびに「ココで繋がってくるのかー!」って発見があって面白い。数式も割と簡単だしモデルがどういうものか分かるのでお勧めしたい。すごいよ。
— 詩音 (@sionff) 2019年3月30日
週次の進捗確認用フォーマットの改善をしたり、PJごとのメンバー評価シートを作ったり。
— 詩音 (@sionff) 2019年3月19日
地味だけれど……PMチームはそこそこ単価が高い人ばかりなので、こういう生産性を高める作業がやはり必要と感じる。時は金なり。
4月:大手案件が早速火を吹いた。開発、テストと両方舵取りしながらどうにか今ステップを納品。
のうひんおわった
— 詩音 (@sionff) 2019年4月25日
かえる
ねむい
頑張ろう。
今日は案件の納品日。
— 詩音 (@sionff) 2019年4月19日
お客様に「アプリ渡してもサーバの向き先まだご用意されていないですよね、apkじゃなくてソースだけで良いですか?」みたいな事を聞いたものの、返事が全くないので諦めて帰宅した。
営業と確認して週明けに対応することに……こういうこともある。
自分がPMやる時の特徴メモ(1)
— 詩音 (@sionff) 2019年4月18日
・会議進行して課題決めてdeadline引くの得意
・議事録取るの超早い
・設計書や報告書などドキュメントを見やすく綺麗に書ける
・PJの朝会でアイスブレイク出来ちゃう
・マネジメント力は社内で1,2を争うレベル
・たまに言い方が酷い(要改善)
社内評価を基に作成。
5月:大手案件が落ち着いたと思ったら、自社開発案件も炎上したのでPM交代でアサインされて即交通整理。元のPMから全部巻き取った。携帯をauからdocomoに変えたら大失敗だった。2度とdocomoにしない。
前にここで書いたかもな、新製品開発PJの続き。前体制からPM引き継いで進めてるんだけれど、やっと形になってきた。1ヶ月半くらいかな。以下やったこと。
— 詩音 (@sionff) 2019年5月29日
①βリリース時の品質の明確化
②機能開発リリースノートの作成
③現時点での品質と、目指す品質との差異確認
④3の差異を埋める方針策定
つづく
6月:クライアントがデザイン全取り替えしたために早くも死亡フラグ点灯。先方のUI担当者が逃亡。画面設計とか遷移図とか丸投げされて全部こちらでやるハメに。AWSクラウドプラクティショナー受かった。
自分がいま出来ることに加えて、どんな付加価値をつけていけばいいのか考え中……
— 詩音 (@sionff) 2019年6月4日
今やってる事や勉強してる事が正解だなんて保証はどこにも無いから、急でも方向転換できるようにはしておきたい。軸として決まってるのは、PMくらいのもの。
新規事業PJでマーケと競合調査の打ち合わせ。マーケは1人しかおらず困ってる様子だったので話を聞きながら、調査の方向性をサジェストさせて貰った。
— 詩音 (@sionff) 2019年6月6日
・ポジショニングマップ作ろう
・価格帯とサービスの種類でクラスタ分け
・CS的な観点でサービスを見よう
・俯瞰して長いスパンで捉えよう
的な話。
アプリ開発の案件でテスト設計してて、要件→観点表→項目書みたいな感じで落とし込んでる。無駄なく進められていい感じ。……が、お客様側が決める仕様の連携がないからせっついてる。
— 詩音 (@sionff) 2019年6月14日
ITのキャリアの始まり論が前にあったけれど、QAからでもPGからでも正直どっちでもいいと思います。多分好みの問題
会社の昼休み、勉強するのにオフィスのファミレス席を使ってたんだけれど。
— 詩音 (@sionff) 2019年6月25日
どうしても眠くなるから、寄りかかれないカウンター席に変えた。これなら寝ずに勉強できる。7月末の試験まで日がない。
7月:引き続き開発。設計とか頑張る。月末は放送大学の試験。結膜炎でひどい目にあった。
自分で対応できる事なら巻き取ろう!の精神で、先日引き継いだ小さめの案件のリリース対応。初回だったのでテックリードの方に確認頂きながら手順書に沿って実施したんだけれど、思いのほか緊張……見るとやるとじゃやはり別物!
— 詩音 (@sionff) 2019年7月10日
AWSの勉強が早速役に立ったし、いい経験でした。引き続き頑張ろう。
8月:主PMと主エンジニアが別案件の鎮火で別行動。主PMが案件投げた的な発言をしたため、そのまま実質主PMに。残るは新卒1年目2年目ばかりなり。デザイン全取り替えなどを理由に先方にステップを切ってもらう。どうにか仮納品。単位取れてた。
PMとして担当しているプロジェクトも8末納品と大詰め。ネタだらけだった。
— 詩音 (@sionff) 2019年8月21日
・iOSとAndroidのリードエンジニアが別案件で長期離脱
・アサイン予定の主力エンジニアが別案件対応でアサイン不可
・顧客がデザイン総取っ替え&追加仕様山盛り
・プログラマーが新卒ばかり。学校か!
PJメンバーに新卒の子が多くいるんだけれど、専攻も違うから出来る子も出来ない子で差が出てくる。
— 詩音 (@sionff) 2019年8月23日
遅れてて自信を無くしてる子には「焦らなくていいよ、興味が持てて上達できるものをまずひとつ作ろう」と話してる。折角縁があって一緒に仕事をしているのだから、ITを好きになって欲しいと願ってる。
今のPJがまだ一波乱ありそうではあるけれど、やっと落ち着きそうだから転職活動を再開しよう。今の会社だと規模が小さすぎてリソースの奪い合いが不毛すぎる。PMとしてももっと成長出来るところに移りたい。
— 詩音 (@sionff) 2019年8月23日
PMの仕事って実際にやってみると、PGだった頃には想像も出来なかった事も多々あって。
— 詩音 (@sionff) 2019年8月26日
その中で最たるものがリスクマネジメントと期待値コントロールの2つのように感じられた。バッファを取るのもざっくりとしたリスク対策だし、顧客には上手く期待値を調整して納品までつなげたい。まだまだだなぁ。
PMをやってて人を褒めたり何かコミニュケーションを取るとき、前職のPMの師匠のことがいつも頭に浮かぶ。
— 詩音 (@sionff) 2019年8月26日
あの人だとこんな時どう話すかな、とか考えたりするのでつくづく良いロールモデルに恵まれたと思う。色々あったけれどその機会を作ってくれた前職の上司にも感謝してる。ありがたいこと。
9月:そしてようやく本納品。色々考えた結果、会社を移ることを決断。
内定が出ましたので、転職活動を終了します。エントリは今度は書かないかな……なのでこちらで軽くお知らせ。
— 詩音 (@sionff) 2019年9月8日
次もPM職で、データサイエンス 、機械学習、ブロックチェーンなどの各種技術に関連した開発を行うR&D的な業務に携わる予定です。
そういえば今回、ヒゲを生やしたままで全ての面接を受けたんだけれど。
— 詩音 (@sionff) 2019年9月18日
一次で落ちるところと、最終まで行くところの差が前よりもハッキリしているような感じがしていい具合にリトマス試験紙してくれたような気がしてる。
お勧めはしません。
10月:事業会社の新規事業開発部門に配属。大きな会社なので手続きが多すぎてこりゃ大変だ。案件は軽く覗く程度。
元々少人数のチームだったみたいだから、仕事も情報も人についてる。それを公の場に引っ張り出して整理整頓することろからスタート。
— 詩音 (@sionff) 2019年10月12日
全体像を把握して、各案件の背景や経緯を知ってからでないと、どこから手をつけるか決められない。
愚痴ばっかりだけれど、現時点でのやる事は最速でやってます。
出勤日に着る服で悩まなくていいように、同じシャツ・ズボン・パンツをまとめ買いしてそれだけ着るようにしてみた。確かに思考リソースが空いた気がするし楽。超楽。
— 詩音 (@sionff) 2019年10月18日
ジョブズ様にあやかってシャツは黒。あまり黒は着ていなかったから新鮮!
11月:燃えてる自社開発案件のPMとしてアサイン。プロジェクト計画書やらリスク管理表やら色々作ってプロジェクト内で同意を取りつつ、ベンダー選定を進めてたら1ヶ月過ぎてた。
リスク管理表の各項目の粒度を細かくして、中身埋めた。こうして具体的にしてみると何が問題なのかがよく分かるな。初めて作ったけれど、たった12項目を煮詰めるだけでもかなりの労力を使った。リスクの具体的な内容、配点、予防法、トリガーポイント、対応策。世のプロマネは凄いなぁ。
— 詩音 (@sionff) 2019年11月25日
12月:入社ほぼ2ヶ月なのに社内で仕事の成果について発表した。燃えてた案件はどうにか見積もりOKが出て、ベンダー決定して、開発スタート。別案件も企画段階から入ったり、部門運営の手伝いもしていたら1年が終わってた。
部内の発表おわった。
— 詩音 (@sionff) 2019年12月3日
発表のあとは質問が出て勝手にディスカッションが始まるなど、いい形で提起できたかも。執行役員が「いま大事な話してるからそのまま続けて」って言ってくれたときに、やったね!と内心思いました。そうだよ、皆で考えてやる事に意義があるんだよ。
それぞれの雑感
SIerで受注者のころ(前)
- クライアント様の依頼を受けてくる営業の言うままに、ひたすら受託の開発案件に対応
- 会社として、「詳細設計、実装、結合テスト」あたりを請けているのでそこだけPMする
- 自社開発もやろうとしたけれどリソースが足りない、自社開発の知見がなくて会社としてできない
- 社内リソースの取り合いは日常茶飯事
- 事業内容や業務内容への理解が大事、と頭ではわかっていても……クライアント様の考える世界、と言ってもあんまりピンと来ない
- SESの人を面接したり月次の支払いしたり
- 使う技術はだいたい決まっている(モバイル系だったのでSwift、Kotlin、Rubyくらいしかない)
- クライアント様の機能追加や仕様変更にため息、断れない
- 敷かれたレールを言われた通りに進む
事業会社で発注者になってから(後)
- プロダクトオーナーとの連携が命
- 四方八方に忖度
- 社内のセキュリティ部門へのお伺いが呆れるくらいに大変(大事なので致し方なし)
- 社内リソースと社外リソースが選択できる
- PMが実質1人しかいない(つまり私だけ)ので案件山盛りの中から優先度の高いものを対応
- 要求定義、要件定義、外部設計、などなどやることは上流寄り
- 新規技術を使った新規事業開発がメインなので色々試せる
- 社内の事業向け、社外との提携、組む先がたくさんある
- 社内のレガシーなシステムが奇跡的に稼働している
- 営業主体の事業会社だったこともあって他部署のITリテラシーが低い
- 機能追加や仕様変更で外注先のスケジュールが変わらないよう、スコープを守るのに注力
- 自分こそが世界を作ると言う気概で取り組む
……などなど。
あくまで個人的な印象でしかないので、異論は認めます。
合う合わないが大きいんじゃないかな、と思います。
勉強したもの
放送大学、資格少し、後半はひたすら本。
- 放送大学の単位取得状況(その2) - 周回遅れでIT業界デビューしたエンジニアのブログ
- AWS クラウドプラクティショナーに合格した話 - 周回遅れでIT業界デビューしたエンジニアのブログ
- 放送大学2019年1学期の結果 - 周回遅れでIT業界デビューしたエンジニアのブログ
- 「やさしいC++」を完走しました。 - 周回遅れでIT業界デビューしたエンジニアのブログ
読んだ。犬ビールさんに感謝。
— 詩音 (@sionff) 2019年12月17日
2冊ともストーリー仕立てで面白かった! 「カイゼン」はスクラム、「外注」は外出しする時の問題点。まだまだ知らない事がいっぱいあるなぁ。 pic.twitter.com/ojjWYgKh3tデザインスプリント読了。
— 詩音 (@sionff) 2019年11月24日
ファシリテーションのるつぼみたいな手法だった。もしかして、さくっとデザイン起こせてモック作れるプロマネ最強じゃない? pic.twitter.com/p57TGwAzDv先週までに読んだ本。
— 詩音 (@sionff) 2019年8月27日
Webを支える技術は定番なのかな。CPUの創りかたも面白かった! CPUを作るハンズオン1日コースとか、どこかにないかな。 pic.twitter.com/BVyAgKzB1u昼休み直後の打ち合わせに移動するのが面倒で、テキスト持ち込んで会議室で読みながら待機してたりする。
— 詩音 (@sionff) 2019年8月26日
今週の本はこちら。 pic.twitter.com/ZmrnQlde7c今週の課題図書はこれに決めた。
— 詩音 (@sionff) 2019年7月29日
試験が終わったのでご飯食べつつゆっくり読もう。 pic.twitter.com/yMFk1uYEip華麗に即注文したっ https://t.co/JTxBVW0eMO
— 詩音 (@sionff) 2019年2月21日
他に読んだ本
* SPRINT 最速仕事術
* 熊とワルツを
* ピープルウェア
* その他プロマネに関係した本
総括
私が時々自画自賛みたいなツイートをするのは、自分で自分のやったことを振り返りながらよかったことを評価してかないと、強強エンジニアや凄凄ビジネスマンに囲まれすぎてて時々自己イメージが下がる時があるからだよ。自分にok出すのは自分。他人に期待するもんじゃない。
— 詩音 (@sionff) 2019年11月10日
こうして最近を振り返ると、前々職で初めてPMっぽい事をやらせて貰った時よりも、PMとしていくらか成長した感じがある。
— 詩音 (@sionff) 2019年11月8日
本当のとこは分からないけれど、そう思わせてくれる現職のメンバーや環境、これまでに経験する機会をくれた人達に感謝だなぁ。
あまりまとまりのない文章だけれど……来年も引き続き精進します!